プロジェクト概要
人事管理・給与計算システムの切り替えおよび勤怠管理システムの新規導入
期間:
2021年11月~2024年1月
メンバー:
グループ会社を含めた各社の給与担当者、人事担当者、導入サービス運営会社のカスタマーサポートチーム
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S.Y さん管理本部 総務部 総務課
プロジェクトがスタートした背景について教えてください。
旧システムでは出向や転籍など会社間をまたいだ人事情報の管理がうまくできず、各社ごとにしか管理できない状況でした。これにより、弊社の人事運用において様々な不具合が発生しているのが当初から課題となっていました。
また、法令改正による社会保険関係の各種申請の電子化や、それに伴う東宝健康保険組合からの対応要請がありましたが、システム自体が老朽化しており、こういったアップデートに対応できていない点がシステム刷新の理由となりました。
さらに、中期経営戦略で掲げていたペーパーレス化の推進という観点からも、紙の出勤簿を使用していた勤怠管理をシステム化する必要があり、これを契機に新システムの導入が決定しました。

実際の業務内容は?
システム選定において、当初から抱えていた課題や目標を解決するためクラウド型システムに絞り、検討を行いました。複数の類似システムが候補に挙がったため、各社の資料を取り寄せ、担当者に弊社の求める要件をお伝えしたうえで、それにどれだけ対応できるのか、またコスト面での見積もりをもらいながら選定を進めました。最終的に、2021年11~12月頃に最も弊社の要件に合致し、かつコストが適切なシステムを導入することを決定しました。
その後、2022年1月から人事データベースの移行作業や各種設定作業を開始しました。システム構築を進めつつ、2022年5月には新旧システム間でのデータ移行に向けた仕様検討と策定を行いました。対象となったのは、過去3年分の給与計算データや旧システムで使用していた賃金台帳、法定調書などです。
6月には勤怠システムの仕様がある程度固まり、実際に使用する現場の従業員向けに説明会を実施しました。従業員の年齢層が幅広いため、約3ヶ月にわたり、全国の各拠点を回り、現場で直接使用方法を説明しました。また、現場からのフィードバックを受けて必要な対応を行いながら進めました。
拠点数が多く、時間と工数がかかりましたが、システムに不安を感じる従業員が多いことを考慮し、オンラインではなく対面での説明を行いました。実際に直接会って話をすることで、様々な質問が出たり、問題点を深掘りできたため、大変でしたが実施してよかったと感じています。
このシステム切り替えは2023年1月を予定していましたが、いきなり切り替えを行うのは難しいと考え、試験運用期間を設けました。数か月間、二度手間ではありましたが、これまで通り、紙の出勤簿を作りながら同時にシステムも使用してもらいました。 給与計算には年に一度の手続きなどもあるため、本運用が始まってから1年となる2023年12月をもってこのプロジェクトは一区切りとなりました。
システム化には、確かにハードルが高い部分がありますよね。
そうですね。特に今回のように、グループ会社も含めて全社的に導入・運用する場合、関わる人が非常に多くなります。また、事業所ごとに働き方が異なり、それぞれに適応する必要があるため、柔軟に対応していくことが大変でした。

プロジェクトにおいて苦労したことは何ですか?
規模が大きなプログラムだったため、関わる人も非常に多岐にわたりました。経営層への説明に加え、アルバイトを含む全従業員に対しても調整と説明を行ったことが苦労したポイントです。
また、運用が進む中で改善点なども見えてきたため、引き続きシステム側と試行錯誤を繰り返しながら、より良い運用・課題解決を目指していきたいと考えています。

プロジェクトの経験を通じて得たことについてお聞かせください。
今回のプロジェクトでは、実際に現場へ足を運び、ユーザーの声を丁寧にヒヤリングすることで潜在的な課題に気づくことが出来ました。部署や事業所ごとに働き方が異なるため、単にマニュアルを配信するだけではなく、現場に赴いて直接説明や確認を行うことが最も重要だったと感じています。
今後も、真摯に対応し、相互理解を深めながら、より良い仕事をしていく姿勢を持ち続けていきたいと考えています。